【短編】happy!
ぐいっ、とそのまま手を引っ張られて校門を抜ける。
全く訳が分からないまま、無言で早足なあっちゃんに必死についていく。
すると、しばらく行ったところで、ある小さな公園に辿りついた。
少し錆びついたブランコと、赤と青のちっちゃな滑り台と、砂場と古びた木のベンチ。
ところどころ生えた雑草に、公園を囲むように植えられた背の低い木々。
どれもこれも、見覚えがあった。
…ここは、昔よくあっちゃんと2人で遊びにきていた公園だった。
「……座ってて」
相変わらず私とは目を合わせてくれないまま、彼は静かにそう言ってするりと手をほどいて。
ベンチに座った私に、いつのまにか拾ってくれていた私のスクールバッグを渡してくれた。
「あの、あっちゃ……」
私が何か言う前に、彼はまたくるりと背を向けて、水道の方へスタスタと歩いていってしまった。