幸せな結末
「じゃあ、勝手にどっか行く。

と言うか、行かせてもらうから」

ふうっと息を吐いた後、美香ちゃんは早足でキッチンを出た。

「あ、そうだ」

思い出したように言って、美香ちゃんは立ち止まった。

「帰るつもりはないから」

「はっ?」

聞き返した一也さんを一瞥すると、美香ちゃんは黙ってその場を立ち去った。

バタン

ドアの閉まる音が、やけに大きく響いた。

その音を聞き終えた後、一也さんは大きく息を吐いた。

「一也さん?」

私が名前を呼んだら、
「んっ?」

一也さんは不機嫌な声で返事をした。

「やっぱり、何でもないや…。

ご飯、何にしよっか?」

そう聞いた私に、
「いらない」

呟くようにそう言うと、一也さんはリビングを出た。

その足で自分の部屋に入ると、バタンとドアを閉めた。
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