幸せな結末
主任も課長もいなくなると、この場に残っているのは俺たち2人だけになった。

「一也さん」

美羽ちゃんが言った。

「んっ?」

「ありがとう」

美羽ちゃんがお礼を言った。

「えっ?」

何かお礼を言われるようなことをしたっけ?

そう思った俺に、
「私、一也さんに出会えてよかった」

美羽ちゃんが言った。

「俺も、すごく幸せだよ」
と、俺は笑いながら言った。

正直な思いだった。

美羽ちゃんと出会って、美羽ちゃんとつきあって、今の俺はとても幸せだ。

美羽ちゃんは、俺のもの。

「ねえ、美羽ちゃん」

俺は言った。

「結婚しようか」

思いを込めて言ったたった一言のセリフに、
「はい!」

美羽ちゃんが笑顔で、首を縦に振ってうなずいた。
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