幸せな結末
「…すみません」

思わず謝った俺に、
「気にしなくてもいい。

部下の社内恋愛に口出しするほど、俺は悪魔じゃない」

主任が言った。

「気づいていたんですか?」

そう聞いた俺に、
「様子が違うからね。

手のかかる部下ほど、上司は気にするから」

主任が答えた。

何か、さりげなく嫌みを言われた?

「新しく入ってきた事務員の子が好きなんだろ?」

「そんなとこまで見てたんですか?」

「んっ?

いけなかった?」

そう言った主任に、俺は呆れて何も言えなくなった。

「いつから、思ってたの?」

俺は主任に、今までの出来事を話した。
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