幸せな結末
そりゃ、驚かないって言う方がずっと間違ってるよな。

俺は今、美羽ちゃんを抱きしめているんだから。

俺のものになってくれなんて、強気な発言はできない。

けど、俺は美羽ちゃんが好き。

好きだから、こうして思いを伝えた。

「初めて会った時からずっと、大好きだった」

俺は言った。

「私も…初めて会った時から、若宮さんを思ってました」

腕の中で、美羽ちゃんが言った。

お互い、その日から恋をしていたんだな。

そう思うと嬉しくて、顔がにやけてしまいそうになった。

「美羽ちゃん」

にやけた顔を隠すように、俺は呼んだ。

真っ赤な顔が俺を見あげた。

俺は前髪をあげると、その額に優しく唇を落とした。
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