幸せな結末
「会社の近くにこんなお店があったんだ」

店内を見回しながら、美羽ちゃんが言った。

「知らなかった?」

そう聞いた俺に、
「全く」

美羽ちゃんは笑った。

俺たちはクスクスと笑いあいながら、メニューを開いた。

「決まった?」

メニューから顔をあげると、美羽ちゃんが俺に聞いた。

「決まったよ。

美羽ちゃんは何にしたの?」

そう聞いたら、
「オムライスにした」

美羽ちゃんの答えに、俺は耳を疑った。

「俺もオムライスを頼もうと思ってた」

そう言った俺に、
「えっ、ウソ!?」

美羽ちゃんは恥ずかしそうに頬を赤らめると、慌てたように手で口を押さえた。

俺も驚いていた。
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