妄想な彼女



体育館の舞台袖ではたくさんの文化部の奴とか生徒会役員が忙しそうに走り回っている




「へぇ…結構上手くできてんじゃん」


壁に立て掛けてある大道具を見て、俺は呟いた



最初あたりはセットを作ってる美術部を手伝ってたけど、後半は舞台の練習で全然参加できなかったから、完成品はまだ見れてなかった


「でしょ♪まぁ、常陸先輩の下書きがあってこそですけど!」

「お世辞言っても何もでないけど?」


「やだなぁ~本心ですよっ♪」


バシバシと俺の肩を叩く美術部員



「棗サ~ン照れない照れない♪まぁ、真っ赤な顔の棗サンもアタシの台本の創作力を高めますが!」


なに言ってんだコイツ。

「はい!無駄話はそれまで♪衣装をそろそろ着て、最終チェックに入るよ~」


衣装も担当している河辺が紙袋を持ってくる

「はい!近藤勇の衣装です♪これは~えっと、沖田総司か!」




うわ。着るのめんどくさそ…


「じゃあ着替えして10分後に集合しましょ♪」


へ~い…




ん?


その時俺は体育館の入り口にいる帽子を深く被った男を見かけた



顔は少ししか見えなかったけど


なんかどっかで見たことあるよーな…



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