二人だけの秘密
彼との待ち合わせのセルフカフェ。

喫煙席を覗くとまだ彼は来ていなかった。

私はカフェオレを注文して
席に着いた。
メールで
彼に到着したことを告げる。

すぐに返信。
【もう駅に着いたからもう少し待ってて】

私は携帯をバッグにしまった。


「ごめん。わりぃ」
彼が顔を覗き込んで謝る。

「うん。全然大丈夫」
そう言うと
彼はオーダーをしにカウンターへ向かった。


今の感じ。
全然普通。

何か起こるのか・・・
少しドキドキしていた。

アイスコーヒーと
灰皿を手にした彼が席に戻る。

煙草に火をつけて
一服。

「出張どうだった?」
彼が口にした。

「うん。けっこう色々問題もあってね。
まぁでももうすぐ落ち着くよ。」
私はそう言ってお土産を手渡した。

「そっか・・・。
おっ。サンキュ」

「今日はどうするの?」
聞いてみた。

「うーん。まだ何も考えてなかったなぁ。
飲み終わったら飯にしようか」

その日は
ごく普通に
ランチをして
ショッピングをして
半日を過ごした。



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