短編:星夢

1.夢の始まり

 
「お前ホント可愛いよな」


そんな言葉が聞こえた。

自分のコトじゃない気がして、

ひどく他人事に感じた。








高校の学園祭が終わって

片付けもせずに、

私達生徒は

後夜祭を楽しんでいた。



もともとイベント好きな学校。

後夜祭は毎年恒例の内容なのに

ひどく盛り上がっている。



「去年よりテンション高いよね」

同じクラスの女の子がいう。



私にはどうでもよかった。

学園祭を3日間もやって

疲れ果ててしまった。



「帰っていいかな。こんなの、先生も出席とらないよね」


そう告げて
盛り上がる体育館を後にする。


「え?!ちょっと、詩花?!」

同じクラスのコ達が騒いでる。



『あいつ、付き合い悪いよ』



はっきり聞こえる悪口。

でも別に、今はいい。

もう家に帰りたい。


人付き合い、上手くないのに。

3日間もクラスと人付き合いして

接客して

膨大なエネルギーを使ったよね?


だからもう
帰っていいじゃない。

だめだとしても、帰る。

そう、思ったのに。

 
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