私とあなたのMemory

「誰ですか?」って・・・




「私だよ!?」


大声をだしてしまった私に、
まいちゃんが「しーっ」と人差し指を口にあてる。




「え・・・・な・・・・」





「ののかちゃん・・・ちょっといい?」





言葉の出ない私を病室の外へ連れ出す。






リョウが・・・・私に、


「誰?」



って・・・・。




いつも、一緒だったリョウが・・・・。







ふざけてる訳ではない。



一緒にいたからわかる。




あれは・・・・・・









本気だ。




本気で私の事が分からないんだ。





ピシャ。

ドアを閉め、深呼吸をするまいちゃん。



自分を落ち着かせようとしているの?


どっちみち、


私の頭の中は、「イヤな予感」の確信に近ずいてしまっていた。





そして、真剣な表情で顔をあげた。


きた・・・!!




緊張が走る。



「あのね、ののかちゃん。」


・・・っ


「リョウはね・・・」



やだ・・聞きたくないよ・・・。



「記憶をなくしちゃったの。」


それを聞いた瞬間、私は握っていたこぶしをふっとひらいた。




違っていてほしいと思っていた・・・。






と、同時に体中の力が抜けていき、
床に座り込んでしまった。



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