君が必要とする限り


少し荒れた息遣いが心配になり、俺はその小さな体に視線を合わせた。


「大丈夫?苦しくないか?
この前手術したばかりなんだから無理しちゃダメだろ?」


頭を撫でる。
小さい子供ならではの柔らかい髪質。


「大丈夫!もう元気だもん!
川崎先生、僕ね、またキャッチボール一緒にして欲しいんだ。」


「キャッチボール?」


「うんっ!いいでしょ、先生?」

キラキラと瞳を輝かせて話すその姿に、俺の心の中は芯から温まる。


「もちろん。達也くん、キャッチボール得意だもんな。」



と、その時。




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