君が必要とする限り


「なに、亜矢子。また怒ってんの〜…?」


甘ったるい声で、私の腰に絡みつく、指、腕。


「あれ…起きてたんだ。」


「んーん。亜矢子の殴った音で目、覚めた。」


クスッと笑い上目遣いで私を見る。


「そう…ごめん。」


「何で謝んの?全然気にしてないから。」


そう言って体を引き寄せて、後ろから抱き締めた。


首筋に顔を埋めたかと思うと、
その唇は耳へと移動して、今度は頬へ。


「浩樹は甘えん坊だね…」


そう言って私は“浩樹”の唇に唇を重ねた。


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