一木くん
なんだ、甘えか、そうか、一木もたまには甘えたくなるよね、だけど。

「最初からそう言ってくれればいいのに」

「なんか照れくさかったから…さ」

そう言ってえへへなんて笑う一木が珍しく可愛いかったもんだから、私は後ろを向いて彼を抱きしめた。


「うぉい、頭撫でるなよ」

「甘えたい、んでしょう?」

「そうだけど、それは理想の甘えとはちょっと違うというか…」

ぶつぶつ言いながらも頬の赤さから照れているのが伝わってきて

「じゃあ好きに甘えて下さい、な」

と私が言えば彼は抱きついたまま動かなくなった。




たまには弱っている姿を見せてくれるのも…良いかもしれない。




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