続・シンデレラLOVERS ~AFTER三ヶ月目のジンクス~

ずっと頭を撫でていた感触は、気が付けば手の甲で頬を撫でる感触に変わっていた。



優しく撫でる指の温度に混じって時折、冷たい感触が頬を掠めていく。



それがなんだかくすぐったくて。



微睡んだ意識の中で何度か瞬きをしてゆっくりとまぶたを開けば、



「日菜琉?」



目の前にあったのは葉琉ちゃんじゃなく、



「ぜ、善雅くんっ」



心配そうにわたしの顔を覗き込む善雅くんの姿だった。



その表情は眠る前に想像していた心配性な善雅くんの顔と全く同じで……。



「……本、物?」



思わずその顔に手を伸ばして触れてみる。



もちろん。
そこに居るのは紛れも無く善雅くん本人で……。



「当たり前だろっ。熱で意識ヤバくなってんじゃねぇか?」



伸ばしていた手は善雅くんの左手に捕まり、ますます心配そうにその手を握り締めた。



あぁ。
やっぱり善雅くんだ。



握り締めた手には指環の感触があって、思わず顔が綻んでしまう。



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