続・シンデレラLOVERS ~AFTER三ヶ月目のジンクス~

日菜琉視点


「もうこんな季節なのね」


休み時間。

自分の席でお菓子のレシピ本を読んでたわたしの前に芹華ちゃんが腰をおろした。



開いていたのはちょうどチョコレートの特集ページ。



この間の調理実習のことは頭に引っ掛かるけど……。



わたしが善雅くんを好きなのは事実だから。



ちゃんと気持ちを形にして伝えたい。



だから。
来たるバレンタインに向けて準備しようと思って気持ちは逸るんだけど……。



「本命チョコレートなんて初めてだからなんか緊張しちゃって……」



早めに練習しようって思うのに、何を作ろうか全く決まらない……。



一人で空回ってる自分に呆れて、はははってマヌケに笑ってると、



「勿体ないからあげなくて良いんじゃないかしら。なんだったらこれ……」


「芹華ちゃん……いくらなんでもヒドイよ」


「十分よ」



ポケットから10円チョコを取り出してわたしの机に乗せる。



ホント芹華ちゃんは善雅くんが絡むと渋い顔になる。



芹華ちゃんは親友だから出来れば素直に応援して欲しいんだけどな……。



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