続・シンデレラLOVERS ~AFTER三ヶ月目のジンクス~
帰り道と秘密のアルバイト

……やっぱり辞めとけば良かったか。



兄貴の口車に乗せられた家庭教師のバイトの代理一日目。



「有宮 善輝(よしき)の代理で来ました」



プレゼントは日菜琉へのサプライズにしたいから、バイトのことはもちろん秘密にしてる。



兄貴の用事で忙しいって言って、帰り道はいつもの半分くらいしか居られなかった俺に、



「……そっか。じゃあ、また明日ね」



一瞬だけ目を伏せ、名残惜しそうに繋いでた手を離した日菜琉の笑顔はどこか寂しげだった。



……明日から暫く毎日こんな顔をさせるのかと思ったら正直憂鬱。



そして後悔の原因はもう一つ。



初日の初っ端からテンションが下がり気味の俺を玄関で迎えたのは、



「有宮先生から聞いてます。お願いしまーす」



見覚えのある懐かしい制服を着て笑顔を浮かべる女の子だった。



相手が中三とは聞いてたけど……性別までは確認してなかった。



多分兄貴もわざと言わなかったんだと思う。



……女子中学生ってわかってたら間違いなく断ってたからな、日菜琉が居る手前。



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