女王様はメイド様?!①【完】
「だ、大丈夫。」


声に出して自分に言い聞かしてみた。


それでもやっぱり怖いままだった。


止めを刺すように…


ピカっゴロゴロ…


「きゃぁーーっ!」

ひとりできく雷の音は怖さ倍増だった。


怖くてたまらなくなって翔の部屋にダッシュした。


ガチャっ

ばふ…


「なんだよ…」


急に翔の布団に
侵入したあたしにびっくりしたらしい。

それでも冷静に聞いてくる翔は
かなりの上者だとおもう。


「ここで寝ていい…?」


「オレがいないと寂しい?」


「そ、そんなんじゃない」


「べ、べつに翔がいないと寂しいとか…
ちょっとこっちのほうが布団が気持ちいい
かなって…思っただけ…」


言い訳にもならない言い訳で逃げた。

逃げ切れてないと思うけど…


「ふぅ~んあっそ」

意外にもあっけない言葉が帰ってきた。


まあでも反対されたらどうしようかとおもったけど

でもやっぱり暗いな…


あたしと翔は背中合わせにしていた。


全身がさっきの雷で震えが止まらなかった。

「っ…なぁっ」


「怖いんだろ?安心しろ」


「なっなにもしないでよっ?」


「”今日は”な?だから寝ろ。」


翔はあたしを後ろからギュっと抱きしめてくれた。

さっき感じたあのぬくもりがまた再び

あたしを安心させていく…

翔に抱きしめられて心臓がものすごく
五月蝿かった。

いつもなら離してっていうけど、

いまはこの手を体を…

離したくなかった。

ずっと抱きしめてほしい…

と思った。





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