君へ。

No.29


―きっと

君の存在があったから、

私は強くなれたんだね。

























「もしもし?」

「あ、陸?」

「そうやでー」

「電話遅くなってごめんな?」

「全然ええよー。」

「あ、そうや」

「ん?」

「うち、まだ退院出来ないみたい。」























今日の検査結果は

あまり良く無く、

もう少し

入院しなければならないらしい。

























「大丈夫、か?」

「え?」

「外に出れないんやろ?」

「おん・・・」

「辛くないか?」

「全然、大丈夫やで!」





















無理しているわけじゃない。

嘘付いてるわけじゃない。

陸のおかげで、

苦しさも辛さも消えたから。

























「お前、強くなったな。」

「そう?」

「ネット内で話しとる時さ、」

「おん」

「お前、すぐ挫けてたやろ?」

「・・・そうや、ね」

「でも今、前向いて歩いてるやん。」






















言われてみれば、

強くなったかもしれない。

前までの私は

前進しようとしていなかった。























「あ、我慢はしたらあかんよ?」

「分かってるってー」

「そう言って、無理するんやから。」

「陸ったら、オカンみたいや(笑)」

「過保護過ぎなオカンか?」

「そうそう!」

「認めるなや!(笑)」
























もう決めたんだ。

辛い事があっても、

後戻りはしないって。

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