【完】キスミーアゲイン
「さよなら平凡な私の日常……」
「そうだね、アンタもあんな所通らなければ、今頃酔っ払ったイイ気分のまま家に帰れたかもね。」
「……。」
車を運転しながら、ユキさん、と呼ばれていた男は、ふ、と鼻で笑い、私の独り言に応えた。
…この人、嫌味しか言えないのかな。
顔はカッコイイのに。
絶対性格に難ありでモテないタイプだ!
「女なんて性格見てねぇだろ。顔と金。ま、男も顔と体を見てる奴ばっかりだけどな」
「…は?」