意地っ張り+意地っ張り
そんなこんなで和馬の家についた。といっても、家は隣同士で歩いて10秒のところにあるんだけどね。


インターホンを鳴らすと、和馬のお母さんの美瑚(みこ)さんが出てきた。


「あら! 雛ちゃんいらっしゃ~い! 和馬部屋にいるわよ?」

「美瑚さんこんにちは! いや、今日はアイツに会いにきたんじゃなくて…」


本当は本とノート(ノートは美瑚さんに手渡ししてもらうつもりだったのだが)をかえしたらすぐ帰る予定だったんだけど、折角だから上がって!と、笑顔で言われたので断りづらくお邪魔してしまった。


み、美瑚さんの笑顔は癒される…てか、そんな笑顔で言われたら断りたくても断れないよ…!


ふと玄関を見ると、見慣れないブーツがあった。どーみても和馬のじゃないし、美瑚さんが履くようなものでもないし……あぁ、またか。あたしは無意識にため息をつく。


「美瑚さん…もしかして…」

「あ、分かっちゃった? また新しい子よ。まったくあの子ったら!」


美瑚さんは腰に手を当てプリプリと怒っている。反面あたしはまたため息をつきあきれていた。ったくあの女ったらしめ……。






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