優しい君に

走境

雲一つない空は、あらん限りに青く高く輝いた。



初夏の風がその存在を教えるようにゆっくりと駆け抜けた。



晴天爽快。



「…………。」




ぼんやりとそんな爽やかな空を眺める。



「…みぃ?」



「…ん?」




「いや…なんか朝からテンション低いな~…みたいな…」


「朝から高いほうが珍しいんだよ。」



はぁ、とため息をつきながら小さく呟いた。



入学してから、こんなに学校に行くのがいやなのは初めてかもしれない。





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