マイエンジェル†甘い声で囁いて
教室に着くと、三国くんの机に見慣れた後ろ姿が見えた。
あ…。タクミ。
今日こそ、ちゃんと確認しないとダメだよね。
タクミは三国くんに笑顔で手を振り、私が今いる教室の入口へ歩いてくる。
「おっ、風ちゃんおはよ~。歌詞書けた?」
「うん、何とか…」
「すげー早くねぇ?オレも今三国くんに渡してきたんだけどさ、ダメ出しされまくり~」
「渡してきた?えっ、何を?」
「あ、聞いてね~んだ。全員歌詞書けって言われてたんだぜ?豆蔵は受験生だから、かわいそうだよなぁ」
ぜっ…全員!?
「あれ、私だけじゃないの?」
「もちろ~ん。オレも書きましたよぉ?ま、テーマは何でもいいって言われたから適当に」
もしかして…テーマを決められてたのは、私だけ?
ますます三国くんのしたい事が分からない。