好き。〜ただ一心に・その一瞬に〜

転校生

「運命って……信じる…?」

突然降り掛かったその言葉。
振り返えると、男の子。
へぇ…。男の子って…そんなロマンチックなこと、考えるんだ。

…じゃなくて!!


だ…誰…?

「あ…あの??」

「信じるかって、聞いてんの。」

うぅ…
強引だなぁ…。

ま、とりあえず…
「し…信じます…。」

これでいーでしょ。

「待て。」

「…は?」

「恋を…知ってるか…?」
「恋??わかんないよ……。」

「俺が……恋を教えてやるよ。」

は…??
意味不明。

何言ってんの。

え…?
大丈夫ですか?
この人……。

「じゃーな。これは暇潰しだと思いな。」


この人が気掛かりなまま、月曜日になった。


まさか、また会うなんて…運命だと思った。


「ねーねー。」
友達の恋香〈レンカ〉が、話しかけてきた。

「何?」

「転校生が来るって。」

「この季節に?」

そう。今は秋。こんな時期に転校生?

だいたい、この中学はテストがあるはず…。

ガラッ

教室の扉が勢いよく開く。
クラスのみんなは興味津々。

――――……。

みんなは"カッコいい"と、思っただろう。


でもあたしは違った。

ビックリした。
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