3年ライバル 短2編

距離



「佐倉は?」

「アレ」


音楽室って落ち着くよね




自分の席で楽器吹いてるだけなのに、なんかチラチラ視線を感じる。



「佐倉っ」


ビクッ

耳元から聞こえた声に音が途切れた。



「山下先輩」



隣の席に座ってにこやかに笑いかけて来たのは、トランペット男パートリーダーの山下先輩

下の名前は不明。




高3ってこともあって凄く大人っぽくて、音楽がわかってて、楽器が凄く上手で、私の憧れだった。




山下先輩と書いて憧れと読むって感じ



「どうかした?課題曲吹きながら放電してたけど」

「いえ、別に」



なんでも、ないです。


「嘘だね、考え事してたでしょう。音の出だしがテンポと微妙にバラバラだったよ

いつもの佐倉ならそんなんじゃないよ」






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