彼とあたし-もう1人の彼-
「これ渡してって」
「…メガネくんとの関係は?」
「…し…」
「し?」
「…わかんないや」




なんでだろ?
言えなかった…3人の関係。




ってよりも言っちゃいけない気がした。






「探りなさいよ~」
「嫌だよ!…探りなんて」




ごめん!倖。
ほんとは知ってるんだけどね。





親友の倖に…
初めての隠し事が出来ちゃった。





「で、渡してきたら?」
「あ、そうだね」





読書をしてるまさを
トントンと突付いてみた。





「…福永さん」
「さんはやめてよ」
「でも…」
「出来れば、まさも唯伊で」
「ゆ、唯伊?」
「うん♪」




メガネを通して見つめる瞳は…
なんだから深くて吸い込まれる気がした。





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