彼とあたし-もう1人の彼-
その時…
コツンと手に触れた…まさの手。





そっとまさを見上げると、
変わらない笑顔で…//



あたしはまさと手を重ねた。





「まさ!」



急に声を上げた千尋。





「な、なんだよ?ビックリするだろ」
「今、手繋いだろ!?」
「なんで?」
「影映ってっから!」
「いいじゃん?別に」




2人のやり取りは
あたしを挟んで繰り広げられる。




「じゃこっちは俺ね!唯伊ちゃん」





と左手に繋がれた千尋の手。



「ちょ!千尋!」
「減るもんじゃねぇじゃん」
「そんな問題じゃねぇから!」




< 56 / 149 >

この作品をシェア

pagetop