彼とあたし-もう1人の彼-
「…今日はここ泊まっていいから」



とまさは布団を直してくれた。





「もう別れたんだから…優しくしないでっ」
「…唯伊」
「帰るから」
「その体じゃ無理だよ」
「こうなったのまさのせいだよ!?」
「…。」
「…。」




なに言ってんの?
辛いのはまさなはずなのに。




そんなまさに辛い言葉言っちゃった。




「…送ってくよ」
「…ねぇ、まさ」
「準備するね」




まさは立ち上がり、
あたしの鞄を持ってこう言った。





「今までありがとな」




あたしが見るまさは…
どこまでも素直で優しくて…
格好いいまさだった。




だけどそんなまさは…
もうあたしのまさじゃない。




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