彼とあたし-もう1人の彼-
―――放課後..




「唯伊行くよ~」
「うん!」



倖と下駄箱に向かう途中…。





「あんなのほっときな?」
「…。」




中庭のベンチで腕を組む桜子を見つけた。




相手はまさだった。




ほんとに…ほんとに、
もうまさの中にあたしはいないんだね。




あたしの中だけにまさはいるんだ。



まさが桜子を選ぶんなら
あたしはまさの幸せを願う。






「唯伊早く~」
「うん」





2人から視線を逸らし、
あたしは笑顔で倖と学校を後にした。





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