はじめてのこくはく
「おめでとうございまーす。見事1位。食堂1000円券でーす!」


朝月高校生徒会主宰のくじ引きに誰かがあたったようだ。




「よっしゃ。1位あたった」



背の高めな男の子がガッツポーズをして
あたった券を見せびらかしている。






「1000円ぐらいでよくあんな喜べるよね。」

呆れたように紗耶香が言う。



「いいじゃん。少年の心忘れてなくて。」




もう一度視線を戻す。


(まだ喜んでるし…)



(あの人面白いな。)



これがわたしと彼との出会いだった。



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