交換日記
11月25日―。
昼頃から降りだした雨が勢いを増し、窓を打ち付ける雨の音がひたすら強くなる今14時32分。
久藤巧の通う所田中学校は、只今国語の授業の真っ最中だ。
「形容詞―形容動詞―」
暗号のように繰り出される言葉たちに、生徒の大半は寝息をたてていた。
そんな中、久藤巧は珍しく目を開いている。それも興奮しているように窓の外の世界に向かって。

窓の向こうには無数の傘をさした学生。
制服を見るからに、所田中学校のすぐ近くにある光朗中学校の生徒たちだろう。
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