*エトセトラ*
最初は抵抗していたモカだけど、次第にキスに酔い始める。

腕の中でへなへなと力が抜けているが分かる。

それに調子を良くした俺は、さらにこのままキスを続けてしまうけど、ふと、視線の先にあるモカの鞄が目に入った。

先ほどチョコレートを取り出した時に開けっぱなしにしていたようで、中身が見えている。



………んん?

その中に、気になるものを見つけた。


あれは……


唇を離し、モカに問い詰める。


「モカ、あれ何?」

「ん…?」

くたくたになっているモカは、ぼうっとしながら俺が指差している方に目を向けた。


鞄の中にあるのは、チョコレートらしき箱。


「もしかして……他に誰かにあげる気?」

「え…?あ、ああ…、お兄さんにと思って。和泉君の、お兄さん」

「兄貴に?」

「うん、あと後藤君」

「はあっ!?後藤っ!?」

思わぬ人物の名前が出てきて、声を荒げてしまった。


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