*エトセトラ*
私を抱き締めている腕の力が、少しずつ抜けていくのを感じている。本当に疲れてるだろうし、眠りにつくのもあっという間かもしれない。

先生が私より先に寝るなんて珍しい…。


毎日、大変なんだろうな…。私がしてあげられることって、あるんだろうか…。

先生のために、何かできること…。


あ、そういえば…。


先生の誕生日って、来月だ。

せっかくだから、誕生日に何かしてあげられたら…。いつも、私ばかり色々とやってもらってるし…。何もない日でも、先生は突然プレゼントを買ってきたりするくらいだ。



もう眠りにつこうとしている先生に、つい話し掛けた。


「ねえ、先生?」

「……ん?」

かろうじて、私の問いかけに反応してくれた。


「何か欲しいものとか、ありますか?」


直球な質問だけど、先生はたぶん自分の誕生日のことを聞かれているとは気付いていないと思う。

いつもは鋭く勘が働くのに、自分の事やイベント事になるとかなり疎い。


私の質問に、「……欲しい…もの?…うーん…」と先生は眠そうながらも考えている。


こんな状況で聞く私もどうかと思うけど、思い立ったらすぐ聞いておかないと、私のことだから後回しにしそうな気がする。



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