*エトセトラ*
「せんせ…何言って…」

「キスしたい」

「いや…あの…私、風邪引いてるんです…」

「ああ、知ってる」


あ、頭がいたい…。

この状態で、先生の相手をする体力も気力もない。

きっと、こうなることは分かってたけど…。


「ダメです…」

「風邪引いた結衣、超かわいい」


…………。

かわいいって、こっちはしんどいだけなんですけど。


ああ、余計に頭がいたい…。体も重いし……って、あれ。

妙にぐんと重くなったと思ったら、いつの間にか先生はふとんの上から覆い被さっていた。


「ちょっ…どいてください…」

「キスしたら」

「ダメッ……んっ!」


私の制止なんて完全無視して、先生は強引にキスをしてきた。

熱のせいもあって、体に力が入らない。


「んんっ…!」

それでも僅かに身を捩ると、先生はゆっくりと唇を離し、間近に見つめてくる。


「結衣、熱い…」

「そりゃ風邪引いてっ……ていうか、どいてくださいっ」

「いやだ、もっと」

「ちょっ…風邪がうつっちゃう…」

「全部俺にうつせ」

「お願いだからっ…どいてっ…」

「やだ」


ああ、頭がガンガンする…。

病人なのに…。なんでいつにも増してワガママなの…。

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