*エトセトラ*
……起きたか?
唇を離して様子を伺うと、菜都は「…ぅーん…」と呟きながらもぞもぞ動いたあと、ゆっくりと目を開いた。
ちっ。
思わず舌打ちを鳴らす俺を、菜都がぼんやりとした目でじーっと見つめてくる。
「起きたか?」
「……ぅん」
寝ぼけてんのか。
半覚醒状態のままコクリと頷く菜都は、この状況を理解しようとしているのか、しばらく俺の顔を見つめている。
そして視線は、腰に回る俺の腕にうつり、その瞬間分かりやすいほどギョッと目を見開いた。
「何するのっ!?」
ガバッと身を起こし、俺から離れようと仰け反った。
「もたれ掛かってきたのは菜都だ」
しれっと答えると、菜都はみるみる顔を赤くさせ、失態だと言わんばかりに頭を抱えていた。
実際菜都の身体を引き寄せたのは俺だが、そんなことは言わない。
もちろん、勝手にキスをしたことも。
思えば、唇を奪ったのはこれが初だ。できれば菜都の意識があるときに反応を見たかったが。
……もう一度してしまおうか。
いや、そんなことするとおそらく場所も忘れて喚き散らすだろう。
しない方が得策だ。
情けない表情でぶつぶつ文句を言う菜都を無視し、もう一度身体を引き寄せてその肩に頭を預けた。
せめて、もう少しこのままで。
「また寝るのっ!?」
「ああ」
「さっきまで寝てたんでしょっ!?」
「誰かさんのおかげで眠れなかった」
「うっ…」
「今度は俺の番」
寝るつもりはないが、ものは言いよう。
強引に菜都を言いくるめ、もう少し、2人きりのこの空間を堪能することにした。
★おわり★
唇を離して様子を伺うと、菜都は「…ぅーん…」と呟きながらもぞもぞ動いたあと、ゆっくりと目を開いた。
ちっ。
思わず舌打ちを鳴らす俺を、菜都がぼんやりとした目でじーっと見つめてくる。
「起きたか?」
「……ぅん」
寝ぼけてんのか。
半覚醒状態のままコクリと頷く菜都は、この状況を理解しようとしているのか、しばらく俺の顔を見つめている。
そして視線は、腰に回る俺の腕にうつり、その瞬間分かりやすいほどギョッと目を見開いた。
「何するのっ!?」
ガバッと身を起こし、俺から離れようと仰け反った。
「もたれ掛かってきたのは菜都だ」
しれっと答えると、菜都はみるみる顔を赤くさせ、失態だと言わんばかりに頭を抱えていた。
実際菜都の身体を引き寄せたのは俺だが、そんなことは言わない。
もちろん、勝手にキスをしたことも。
思えば、唇を奪ったのはこれが初だ。できれば菜都の意識があるときに反応を見たかったが。
……もう一度してしまおうか。
いや、そんなことするとおそらく場所も忘れて喚き散らすだろう。
しない方が得策だ。
情けない表情でぶつぶつ文句を言う菜都を無視し、もう一度身体を引き寄せてその肩に頭を預けた。
せめて、もう少しこのままで。
「また寝るのっ!?」
「ああ」
「さっきまで寝てたんでしょっ!?」
「誰かさんのおかげで眠れなかった」
「うっ…」
「今度は俺の番」
寝るつもりはないが、ものは言いよう。
強引に菜都を言いくるめ、もう少し、2人きりのこの空間を堪能することにした。
★おわり★
![いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]](https://www.berrys-cafe.jp/assets/1.0.786/img/book/genre1.png)