さぁ、跪いて快楽を乞え!
「橘ーっ!!」

ネクタイもきちんと結ばずに、薫が部屋に入ってきた。

「何ですか? 朝から騒々しい……」

髪の毛をきちんとオールバックにし、スーツを着こなし、パソコンの前に向かい、仕事を続ける橘に薫は一瞬がっくりときた。しかし、すぐに立ち直り、橘に向かって言った。

「何で……何で起こしてくれねぇんだよ!?」

「部屋に入ってくるな。と言ったのは貴方でしょう? 私はきちんと言い付けを守ったまでです」

「お前なっ!!」

そんな薫を橘がクスリと笑い、薫に言う。

「おや、貴方が悪いんですよ?」
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