さぁ、跪いて快楽を乞え!
「ほう……やはりドレスでしたか?」

橘は込み上げてくる笑いを必死に堪えながら、薫に聞いた。
なにせ、薫が女役の「お姫様」なのだ。衣装の答えが一つしか思い付かなくてその笑いを堪えるので精一杯なのだ。

「……どうせ分かってるんだろ!」

「貴方の口から直接お伺いしたいな、と思いまして」

「ムカつく! お前の想像する通りだよ! ドレスだったよ! しかも骨盤までのスリット付きのな!!」

それを聞いた橘は、失敗した……と思った。ドレスがちょっと予想外で、笑わないように耐える腹筋が今にも崩壊しそうだからだ。
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