さぁ、跪いて快楽を乞え!
「何が可笑しいのですか? 貴方が求めたとおりにしたまででしょう?」

「違う! 俺は女として扱えなんて一言も言ってない!」

「おや、そうでしたか? 私にはそう聞こえましたが?」

「耳が悪くなったんじゃないのか? 今すぐ病院へ行ってこい」

「光栄なことに私は生まれてこのかた耳鼻科検診で引っ掛かったことは一度もありません」

はぁ……と溜息を吐き、さも残念そうにする橘。

「じゃあ今この瞬間、耳が悪くなったんだろうな!」

「それはどういった名の細菌でしょうかね?」

とか何とか言いつつも「貴方が細菌でしょうね」と言う目をしている。

「俺はそんなに細菌みたいか?」

「細菌に失礼でしょう? 細菌に謝りなさい」

「……」
< 44 / 119 >

この作品をシェア

pagetop