異世界にて

 ダルクは呆れたようにため息を吐き、ケイファを見つめた。


「つーか、暖炉独占してんじゃねぇか」


菖蒲はテーブルに突っ伏して僅かに体を震わして寝ている。


「うわ、寒そー…」


ロイスはタオルケットを掛けようとしたが、ダルクに止められる。


「2人でケイファを叩き起こしてくれ。爆睡してるから、少し危険だけど」


2人は引きつった顔で頷くと、渋々ケイファに近付く。

ダルクはふぅ、とため息を吐くと、菖蒲を軽くゆする。


「風邪ひくぞ、起きろ」


「ん…」


菖蒲はゆっくりと目を開けた。


「っ!?」


「ダルクさん? あ、おかえりなさい」


菖蒲はまだ寝ぼけているようで、ふにゃっと笑った。
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