異世界にて

 ツキン、と背中が痛む。


『…馬鹿。余計なことは喋るな』


その声が、自分の体を気遣っていてくれるのがわかる。


「わたし、物心ついた時から、優莉と優希と3人で暮らしてたの。記憶にあるのは9歳くらいからで…。その前の記憶は、一切ないの」


また、背中が痛む。

汗が出る。


『だから言ったろ。もう何も言うな』


その声に頷き、ふぅと息を吐く。

目を開けてみれば…目を見開いている4人がいた。


「え、あの…。どうしたの?」


「育ての親とか、いなかったの?」


「うん。3人で、助け合いながら。でも、お金を寄付してくれた人はいたよ。後は、役割分担して家事をやったり、ね」
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