〜初恋〜アナタに溺れる
「実はさ…「ちょっと待って!」

せっかく話そうとしたのに、聞いた本人…志穂に遮られた。

「なによ?」

周りをキョロキョロ見渡して、ズイっと顔を近づける。

「…昼間はマズイかと思って。そんな内容でしょ?」

今から話す的をピタリと当てて、ニコリと笑った志穂。

まぁ、確かに。

昼間話すようなことではないかもね。

「…じゃあ、夜?」

「仕事終わったら、家に行こう。その方が気兼ねなく話せるでしょ?」

「そうだね。」

昼休み時間が僅かになり、急いで食事を終わらせた。



「相変わらず美味しかったぁ」

「うん。」

カフェを出て会社までは三分くらい。

その三分でまさか、会うなんて…


私の目の前から、真っすぐに歩いてくる人物。


隣に可愛らしい女の子を連れて…

楽しそうに笑う男。


こんな時間に?


こんなとこで?

私の会社がある近くで…まさかと思うじゃない。


生まれて初めて自分の2・0の視力を疑った。

だって…ありえない。

信じたくないもの。






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