犯人ゲーム



チェシャ猫と名乗る声は、多少感情を込めているように喋るが合成音声を隠しきるにはいたらない。


『さて、早速みんながここに集められた理由を説明するよ♪』


チェシャ猫の尻尾が電脳の中ブラブラと揺れる。


『みんなにはね、【犯人ゲーム】をやってもらうよ』


犯人、ゲーム?


『ルールは簡単だよ。僕チェシャ猫が指定した【犯人】をここにいる全員で当ててもらうだけ。簡単だね』


みんな、部屋の後ろにちゅーもーく。


瞬間、目の前の光が全て消えーー。


「ひっ!?」


短い悲鳴が上がり、後方から光が現れる。


見れば後ろには七人の人間、いや違う。


天井からの街灯に似た淡いオレンジのライトに照らされているのは七体のマネキンだった。


『みんなにはこの中から犯人を当ててもらうよ』


チェシャ猫の姿はなく声だけが室内に反響する。


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