【完】君の笑顔





行きたい気持ちは分かるけど、


「またどこかであるかもしれないし、今回は……ね」


ね、と言っても岡本さんは納得いってない。


「次はいつ?どこであんのよ?
次があるって保証あるの?」


その質問に黙り込んでしまう。


そう言われても。



いつあるかなんて分からないけれど、でもそのうちまた開催されるとは思う。



岡本さん、まだ若いんだしこの先何十年生きていたらまたあるでしょ。



「そこまでして行きたい?
……発作を起こして危ない目に会うかもしれないのに」



写真よりも自分の命の方が大切じゃないの?



「そこまでして行かせたくない?」




質問に質問で返してくる岡本さん。


「行かせたくない。写真展は元気になってからいつでも、どこでも見に行く事が出来るから」



真っ直ぐ岡本さんの目を見据える。


治ってからだったら、飛行機に乗って遠くで開催される写真展に見に行く事もできる。


外国であっても。



目の前の事だけより、これから先の事を考えて行動した方が今は良いんだ。








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