【完】君の笑顔





「また!岡本さん、どこに行くつもりですか?」


「中庭」



靴を持ちながら部屋を出た岡本さんの後ろを、少し距離を開けてついていく。


明らかに中庭へ行く格好ではない。


どこか、外に遊びに行く格好でしょ。



……また抜け出すつもりですか?



岡本さんは、中庭と言った癖に病院を出る。



ここで手を捕まえて部屋へ連れ戻す事も出来るけれど……。


岡本さんが黙って連れ戻されるはずが無い。


暴れて発作でも起こされたら大変だし……。



それに、今連れて帰ってもどうせまた岡本さんは抜け出すから。



仕方なく僕もどこに行くのか行き先が分からず岡本さんに付いていく。




病院を出てしばらく歩いてると、僕が付いてきてる事に気付いた岡本さんが目を見張りながら振り返る。



明らかに怒りの表情で僕を睨み付ける岡本さん。



「何してんの?」


「岡本さんの尾行です」


平然と答えると、目立つでしょ!
……僕に近付いて来て小声で怒る。







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