【完】君の笑顔





「……パジャマじゃないんだ。家用?」


病院では、消毒があるから前が開く上下揃いの可愛いパジャマだったけれど。


今はジャージでラフな格好だ。



頷く岡本さんに「新鮮」と言って笑いかけた。


さっきの心配は当たりだったみたい。


少し表情が曇っている岡本さん。

それに気付かない振りをして、敢えてそれに触れないようにして関係ない話題を上げたのに。



突っ立って座ろうとしない岡本さん。



「……どうかした?」


僕が気に掛けると、ゆっくりと座り込む。



「……傷、見ようと思ったけど、見れなかった」



……そっか。


ごめんね、苦しむ傷を付けてしまって。


でも“見れなかった”って事は見ようとしてくれたって事だよね。







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