【完】君の笑顔

岡本さんの友人







「あーあ。怒っちゃった……」



ベッドに腰掛けている岡本さんのお友達……あさみちゃん?が呟いた。


え、怒った?



慌てて振り返っても、もう岡本さんはいない。



ジュースを買いに行くと言い部屋を出ていった岡本さん。



不機嫌だとは表情から分かっていたけれど

それは僕が病院に戻るように電話をしたからだと思っていた。



でも……怒ってる?



「……僕が帰ってくるように電話したからですよね?」



怒らせる原因と言ったら……それ位しか無い。


機嫌が良くなれば良いけど、このまま怒ってまた病院を飛び出されてしまったら困る。



「違いますよー!ってか、呼び戻されるのは当たり前じゃないですか」

「そうそう。そんな事で怒るって……」



笑いながら僕を見る2人。


じゃあどうして怒ってるの?


この2人は理由が分かってるみたいだけど……僕にはいまいち分からない。


首を傾げて立ち尽くす僕を見て、あさみちゃんの方が笑いを止めて口を開いた。


「こんなこと言ったら心に絶対怒られちゃうと思うんですけど……。心って、意外と独占欲強いんですよ」


「独占欲……?」





< 29 / 268 >

この作品をシェア

pagetop