【完】君の笑顔

高熱






「ね、ゆっくり休めた?」


休んだ次の日。



朝岡本さんの様子を見に行くと、僕の顔を見た岡本さんに一番に聞かれた。




「うん。ゆっくり休めた」



心臓の音を聞きながら答える。



……大丈夫かな。今のところは。



「また疲れさせるから」


「僕が休んでる間、抜け出さなかった?」




良いよ、と言って岡本さんの服の中に滑り込ませていた手を抜く。



「……言われた通りちゃんと大人しくしてたけど?」



服を正す岡本さん。



「本当に?」


「本当に!何なら他の看護師さん達に聞いたら?」




ムキになる岡本さんに思わず笑ってしまう。



「何笑ってんのよ」



ムスッとした表情で睨み付けられる。




「約束守ってくれてありがと。
できればずっと大人しくしてくれていたら嬉しいのに」


「それは無理」



そこまでムキにならなくても、知ってる。




「……あ、そうだ。休みの間何してたの?」



今までブスッと不機嫌な顔をしていたのに

いきなり表情を変えて聞いてくる岡本さんにドキっとする。




「……別に家で寝てましたよ?」

「ずっと?」


「はい」


「あっそ」




自分から聞いたくせに。






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