光の姫は何を見る

第３章 初任務前夜でもまだまだやることはいっぱいあります。

「それにしても不安定な時のフウタを抱きしめてよく平気だったな」


ここは食堂へと続く廊下。

そんな所でカイジ君はそうあたしに言った。


「そうですよ！ 僕に触れるとか命とりですよ」


カイジ君の言葉に怒りを現にするフウタ君。


そんな怒らなくてもいいじゃんか。どっちにしろ死んでないんだしさ。


小さく舌打ちしながらそう思ってしまう。


「ヒカリ！ 舌打ちなんてしないで下さい」


「聞こえてました？」


「僕の能力は風ですよ？ 空気中の振動でどんな小さな音でも聞き逃すわけないじゃないですか」


へぇ〜。能力ってそんな使い方もあるんだ。
まぁあたしも懐中電灯のかわりとして能力使ったけどさ。


「って、話をそらさないで下さい！」


まさかフウタ君がこんな口うるさいなんて思わなかったよ。


こっそりと溜め息をつきながらも廊下を歩いた。