SAYONARA
決意
 欠伸を噛み殺し、ため息を吐く。

 いつも以上にだるい目覚めだった。昨日考え事をしながら眠りに就いたからだと思う。

 彼の居所が分かった。だが、あたしはそれ以上何をするのだろうか。

 彼を待ち伏せて美枝とのことを聞く。

 答えは一つしかないのに躊躇してしまっていた。

「おはよ」

 あたしの今の心境と対極にありそうな明るい声が響いていた。

 肩越しに振り返ると、いつもと変わらないあいつの姿があった。

「寝不足?」
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