SAYONARA
 辺りを明るい光がつつみかけていた。

 公園の街灯は存在感だけを漂わせ、光はともっていない。

 もう電気が消えた後なのだろう。

 大きな池の周りを断続的に人が駆け抜ける。

 ランニングウェアを着ている人もいれば、シャツにジャージという軽装で走っている人もいる。その中で短パンにシャツを着た背丈の高い男性の姿を見つけた。

 あたしは何となく彼の影に隠れて、深呼吸をした。

 功の姿が遠ざかっていく。

 走っているのであたしたちに気付く可能性は低いが、それでもなんとなしにほっとしてしまっていた。

「ここで何があるんですか?」

 彼は携帯を見ると、辺りを見渡していた。

 彼の大きな手がある一点に向かう。そこには木があった。だが、その影に一人の少女の姿を見つけた。

 あたしは思わず彼女を凝視する。
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