たった一人の親友へ
次の日
あたしは微妙な緊張感の中教室に入った

結局昨日のタオルは自分で渡す勇気なんかあるわけなくて、そっと下駄箱に入れて置いた



遅刻ぎりぎりに来た翔はこっちをちらっと見て、サンキュって一言


それだけ、たったそれだけなのにあたしの顔は真っ赤になってたと思う


あたしどうしちゃったんだろ?
こんな変な感情に取り込まれてる自分が馬鹿みたいで、何か恥ずかしくって

また心の奥底に閉じ込めようとした

でも上手くいかなくて、いつのまにか翔のことを目で追ってる自分がいて




あたしの中に初めての感情が生まれた
他人のことをもっと知りたいっていう気持ち

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